FX戦略その1、長期戦略としてスワップ狙い(トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ)について記載しています。
スワップは金利差によるもので、日本円は金利が低いため、他の通貨を買いポジションで保有すると金利を得ることができます。
スワップ(ポイント)は基本的に毎日もらえる利息みたいなイメージです。
FX戦略1の長期スワップ狙いは、買いのみの戦略です。
FXの利益は2種類
FXには売買利益とスワップ利益の2種類あります。
売買利益とは
①安いところで買って、高いところで売る。
②高いところで売って、安いところで売る。
①を例にあげると、USDJPYを150円で買って、151円で売った場合。
1万通貨の取引だと、1万円の利益となります。
スワップ利益
USDJPYを買って、1日以上保有する。
次の日にスワップがつく。
スワップは休日や祝日などで付かない日がありますが、その代わり3日分やそれ以上にまとめて付く日もあります。
スワップは金利差なのでUSDJPYを売りで保有しているとマイナススワップになります。
このブログで紹介しているFX戦略1(長期スワップ狙い)はスワップ利益で資産を増やそうとする考え方です。
FX長期戦略1のリスク
まず知っておいておきたい、この戦略のリスクとしては、
①スワップが変動する
②変動する為替レート
です。
スワップについて①
①のスワップは証券会社によって異なり、スワップは日によって変動します。
多くの証券会社では、水曜日に土日の分をプラスして、3日分付与されることが多いです。
また、日本の祝日や、通貨ペア先の国の祝日で付与日数が変動する場合があります。
付与日数は、平均的にみれば毎日付与されるので、あまりリスクとして意識する必要はありませんが、もらえるスワップは、大幅に減ると計算結果が大きく変わるのでリスクになる場合があります。
スワップは各証券会社のスワップカレンダーで1カ月くらいの実績を確認できます。
スワップカレンダー|みんなのFX
「みんなのFX」の全通貨のスワップ金額を表示します。カレンダー形式で表示しており、付与日数や付与金額が一目でわかるようになっています。
長期保有すると、スワップの変動がリスクとなります。
1日30円のスワップポイントもらえると思っていても、1日15円になると予定していた額の半額になります。
その為、スワップポイントは変動することを知っておく必要があります。
変動する為替レート②
②の変動する為替レートは、基本的には毎日変動するものなのですが、大きく変動する場合があります。
各国の情勢や、金利の変更などで大きく変動する場合があります。
例えば、トルコリラ円では、2007年95円付近だったのが、2024年では4円付近になっています。
95円で1万通貨保有していると、95万円相当とのものが4万円になったことになります。
売買損益で91万円の損失となってしまいます。
FX戦略1、長期スワップ狙いでは、レートがあまり上下せず、高スワップを維持してくれる通貨ペアが理想と言う考え方もできます。
スワップ投資で割の良い通貨ペアは?
2024年12月時点のレートで計算すると・・・。

①現在のレート
②スワップポイント(10,000通貨あたり)
③建値回収日数
「現在レート」×「10,000通貨」÷「スワップポイント」
④③を年換算したもの
TRYJPYを例にあげると、現在のレートは4.5円です。
10,000通貨保有すると45,000円相当のトルコリラを保有したことになります。
1日当たり、42円のスワップポイント(金利)が得られることになります。
もし、上記のレートかつスワップポイントが続けば、1,072日後(年換算すると2.9年)に45,000円後に到達します。
ちなみに1年間保有すると
42円×365日=15,330円
のスワップポイントを得られます。
レートで考えると
4.5円 -(15,330÷10,000通貨)=2.967円
となるので、
もし、TRYJPYのレートが2.967円まで下落しても±0です。
上記の表でみると、
・TRYJPY(トルコリラ-日本円)
・MXNJPY(メキシコペソ-日本円)
・ZARJPY(南アフリカランド-日本円)
の組み合わせが割のよい通貨ペアと言えます。
GBPJPYはスワップポイントはよいですが、現在のレートが高く、④の年換算で考えると建値を回収するのに22.8年もかかります。
スワップ投資で考慮するリスク
FX長期戦略のリスクの②変動する為替レートについて記載しましたが、過去の最安値をもとにリスク値を計算します。

①現在のレート
⑤証拠金(10,000通貨)(レバレッジ25倍)
⑥過去の安値
※TRYJPYは2024年に安値を付けているので、さらに50%下落する可能性があることを考慮し2円としています。
⑦「現在のレート」-「過去安値」
⑧リスク 「⑦」×「10,000通貨」
<10,000通貨を保有した場合>
■USDJPYでは1日あたり190円得られる。②
過去の安値まで下落した場合、827,500円のマイナスになる。⑧
■TRYJPYでは1日あたり42円得られる。②
レートが2円まで下落した場合、25,000円のマイナスになる。⑧
上記の表でみると、
・TRYJPY(トルコリラ-日本円)
・MXNJPY(メキシコペソ-日本円)
・ZARJPY(南アフリカランド-日本円)
の組み合わせがリスクを考慮するうえでも良い通貨ペアと言えます。
ただし、各国の事情が絡むのでどの通貨ペアを選ぶかは各々の判断です。
スワップ投資の実行レバレッジ
ここでは証拠金とレバレッジ、実行レバレッジについて記載します。
<証拠金の計算式>
現在レート × 取引数量 ÷ レバレッジ
USDJPYの場合、
157.750 × 10,000通貨 ÷ 25 = 63,100円
10,000通貨保有するのに63,100円必要と言う事になります。
レバレッジ1倍であれば、1,577,500円必要と言う事です。
<実行レバレッジの計算式>
「現在レート」 × 「取引数量」÷ 有効証拠金
1,577,500円を口座に入金(有効証拠金)して、USDJPYを10,000通貨の買いポジションを持った場合。
157.750 × 10,000通貨 ÷ 1,577,500 =1倍
実行レバレジが1倍であれば、証拠金が足りなくなるリスクがなくなります。
実行レバレッジが1倍だと資金が多くないとなかなかお金が増えません。
その為、多少のリスクは許容すべきだと考えます。
過去安値を元に⑨の実行レバレッジを計算しました。

⑨実行レバレッジ
現在レート ÷ 「現在のレート」-「過去安値」
⑨では過去安値まで下落しても耐えられる実行レバレッジと言う事になります。
計算結果をみると、1.8~2.9倍となります。
2倍であれば現在のレートから1/2下がっても耐えられる。
3倍であれば現在のレートから1/3下がっても耐えられる。
と言う事になります。
長期スワップ狙い【理論編】のまとめ
リスクとしては
①スワップが変動する
②変動する為替レート
の2つがあります。
①に関しては日本円の金利は海外と比べて低いので、当分の間は買いポジションで持っていればスワップポイントはプラスなると予想されます。
しかし、スワップポイントが大幅に減ってしまうと戦略を考え直さなければなりません。
②に関しては実行レバレッジは低いほど安全と言えます。
どの程度のレバレッジで取引するかは各々の判断になります。
・TRYJPY(トルコリラ-日本円)
・MXNJPY(メキシコペソ-日本円)
・ZARJPY(南アフリカランド-日本円)
国の情勢が変化する可能性を考慮すれば上記で分散させればさらに安全な長期投資になると思います。
TRYJPYであれば、3年間現状維持すれば元が取れると言う考え方ですね。